私たちの使う『ケア』という言葉には根底に「我々がこの世界で最も善く生きるための活動」という意味があります。つまり、健康状態、障がいの有無など、置かれた状況にかかわらず、「誰もが持てる力を最大限に発揮できる」ような関わり、「優しさ」「配慮」「保育」「療育」「養護」「世話」…を「ケア」だと捉えています。それは即ち、私たちの保育理念にもあるように『「自分らしく」生きていく』ことができるということでもあります。
私たちは、今まで通りの保育や療育をBASIC CAREと考えたとき、それに加えて必要な人に必要なサポートをすることを『PLUS CARE』と表すことにしました。例えば当社の保育目標でもある睡眠と生活リズムを整える『眠育』のサポートが必要な子どもには『眠育』の『PLUS CARE』を。医療的ケアが必要な子どもにはその『PLUS CARE』を。体調が悪い子ども、発達的サポートが必要な子どもにも、また子どもに留まらず子育てに悩みを抱えている保護者、さらには介護や子育てをしながら勤務している当社従業員に対しても、必要な人に必要なサポート『PLUS CARE』を行います。一律に等しいサポートでは掬うことのできなかった子ども、保護者、当社従業員、さらには地域に対しても『PLUS CARE』を模索していきたいと考えています。
必要なことが違っても、全ての人は『ケア』を受けたり提供しながら生活しています。一方で、その時、その場、関わる人によってできることも限界も変わってくるなど『ケア』には矛盾や葛藤が内包されています。そんな『ケア』の真の意味を皆で考え、議論し、実践していきたいと思います。その意味で、We care forの主語は私たちだけでなく、保護者や地域、たくさんの人にも広がってほしい。様々な状況の人に必要なケアに満ちた、すべての人が自分らしく生きていくことのできるインクルーシブな社会の実現に貢献できる企業として、社会との関係性を構築していきます。
変化や多様化が著しく、膨大な情報があふれる現代社会で幸福感をもって生活するには、誰かの指示命令に従うのではなく、自分で考え、選び、決めて行動できることが重要です。私たちは、社会環境が大きく変わっていく事を前提に、何を学ぶかよりも、どう学ぶかを考えられる子どもを育てることにより、どんな時代になろうとも、子どもたちが主体的に自分らしく生きていく道を歩めるようになって欲しいと考えています。そのために、健康状態、障がいの有無など、置かれた状況にかかわらず、「誰もが持てる力を最大限に発揮できる」ような関わりを実践します。
質の良い睡眠と正しい生活リズムは「生きる力」の基礎を構築します。私たちは、専門医と共同で睡眠をはじめとした生活リズムを改善していく取り組みである「眠育」を行っています。脳科学研究の進歩とともに、乳・幼児期における子どもたちの睡眠(質・量・リズム)発達が脳の発育・発達、さらには学習意欲や学力に大きく関係していることが明らかになっています。1歳から小学校にあがるまでの子どもに必要な総睡眠時間(夜間睡眠時間+昼寝時間)は11時間程度と言われており、特に、夜間睡眠は10時間が必要です。子どもにとって眠ることは、育つことです。睡眠や食事など生活リズムを家庭と共有し、子どもたちの健やかな成長を援助していきます。
就学に向けて大切なのは、ただ行儀よく話を聞くことや一方的に教えられ覚えることではなく、初めて聞く話の中にも自分の興味を見出し、面白いと思ったことに集中し考えることです。一方的に教えられたことはすぐに忘れてしまいますが、自分で考えたことは自分の体験として残るものです。また、自ら学ぶ力を身に付けた子どもは、どこでも主体的に学び、「生きる力」に変えられます。「何を学ぶかよりも、どう学ぶか」、私たちは問いに対する答えではなく、その考え方や学び方を学ぶことこそ教育であると考えています。
そんな子どもたちを育てていくため「安心と安全」を前提に
アートチャイルドケアでは、子どもが「自分らしく」あるために家庭的で安心でき、自分の興味関心に没頭できる環境づくりを心掛けています。保育室内にはあえて子どもが遊んだ痕跡を残したり、保育者からの仕掛けをしたりすることがあります。 片付けの習慣が身につくような関わりではなく、子ども自身が片付いた環境が必要だと感じた時に自ら環境づくりを行っていくことを大切にしています。
子どもたちは、日々ものを見たり、聞いたりする中でたくさんのことを感じています。アートチャイルドケアでは、子どもたちの感じたことをより豊かに表現できるよう、保育室内は過度な壁面装飾をせず、固定観念を植え付けることが無いよう努めています。
アートチャイルドケアでは0~2歳児の子どもにはれんらくちょうを使用して家庭との連絡をおこなっています。当社のれんらくちょうは園に居る間だけでなく、子ども達の24時間の生活リズムを整えることを主な目的としています。そのため、連絡帳のコメント欄は連絡事項等の必要最小限に留めております。昼寝中のコメント記入を最小限にし、SIDSなど睡眠時の事故防止を強化する目的もあります。