食べ物は口に入ると、一瞬前歯の裏の付け根部分に触れてから噛んだり潰したりして喉の奥に送られ飲み込まれます。実はこの部分はセンサーの働きをしており、食べ物の柔らかさ・固さ・温度などを認識し、口腔内のどの場所に食べ物を送ればよいのかを一瞬で察知します。このため、離乳食を食べさせる時、上唇を使ってセンサーに触れるように食べ物を取り込むことも覚えてもらう必要があります。スプーンを口の奥に突っ込んだり、上あごでしごきとったりしていると、センサーを使わず丸のみすることを覚えてしまいます。そのため、スプーンは下唇にそっと置き、上唇を使って自分で取り込むのを待ってスプーンをすっと引き抜く介助の方法が必要になります。
このように、目に見える部分だけが子どもの食べる機能ではありません。口腔内の発達も想像し、適切な援助で生涯続く良い食べ方をプレゼントしてあげたいですね。