眠りの質には眠りのリズムが大事な要素です。
日ごろの生活のなかで、「早く眠りにつくリズム」を身につけるように心掛けることが大切。早寝(夜20-21時入眠)・早起き(朝6-7時起床)の生活リズムが、安定した自律神経機能を保つのだそうです。
地球の自転(社会活動リズム)は24時間であるのに対して、人の体内時計は24.2~24.5時間、と言われています。人は、毎日光を浴びることにより、この時間の溝を調節しているのです。
リズムをつかさどる体内時計の調節で中心となっているのが「脳時計」です。「脳時計」は、次の3つの生体リズムを制御して自律神経機能を整え、全身の体内時計をコントロールしています。
これは、三池医師から教えていただいた、子どもに必要な総睡眠時間(夜間睡眠時間+昼寝時間)です。総睡眠時間はもちろん大切ですが、子どもの脳を育て・守る眠りとして最も重要なのは夜間の睡眠です。夜間の睡眠は、新生児~幼児期までを通して10時間が適しています。 例えば、「夜は8時間しか寝ていないが、お昼寝を3時間している」としても、これでは大切な夜間の睡眠が大きく不足しているのです。
短期間の睡眠不足では、問題が生じないことも多いそうですが、いわゆる「睡眠負債」が蓄積される、「長期睡眠欠乏(慢性化)」は「生体リズムの狂い」を生じさせることになります。
1
睡眠と覚醒
2
ホルモン分泌
3
体温調節
この生体リズムが一旦乱れると、なかなか寝付けない、夜中に何度も目を覚ます、日中不機嫌で泣いてばかりいるという状態に加え、落ち着きがない、言葉の遅れ、コミュニケーション障害(発達障害的症状)を引き起こしやすいことがわかってきました。
保育園・幼稚園や学校に通う時期には、学習意欲の消失、午前中の活動が障害され活気がなく、午後にやや持ち直し、夕方には興奮性が増すといったリズムのずれが生じ、疲労感とともに、終局的には「不登校状態」、「生活意欲消失状態」となってしまう、とのこと。また、一度このような状態に陥ると、改善するのにとても時間がかかり、子どもに何年も苦しい思いを強いる事になります。
今、朝どうしても起きることができない子どもは本人の「意識の甘さ」や「怠慢」ではなく、身体がそういうリズムになってしまっている訳ですから、無理やり起こしたからといって、治るものではありません。お心当たりのある方は、専門医への受診をおすすめします。
「生体リズムの狂い」は、子どもの学校生活にとって、またその後の人生においてとても重大な問題といえそうです。
1
毎日眠りにつく時刻(入眠時刻)と目が覚める時刻(起床時刻)が
ばらつきなく安定している。
2
夜間睡眠中にしばしば目を覚ましたり、
目を覚ますと1時間以上も起きていたりすることがなく、
まとまって寝ることができている。